東北大学編入試験過去問出題範囲 2015~2019
東工大や農工大と同じく、東北大についてもある程度過去問を解いたので、ここでは東北大学編入試験の出題範囲をまとめます。いつものことですが、もちろん化学です。
東工大の出題範囲についての記事、農工大の出題範囲についての記事も志望大学の場合はおすすめです。
東北大の編入試験(化学)では大問が3つあり、問題Ⅰは物理化学、問題Ⅱは無機化学、問題Ⅲは有機化学です。分野に関わらず高校化学が編入試験の範囲に入っているので化学が苦手な人は大学の化学を進める前にしっかりと高校の化学について勉強するだけでも点は伸びると思います。
下にあるのが今回のまとめ範囲の記事です
それでは本文スタートです!
問題Ⅰ
2015
食塩電解、理想気体の状態方程式(PV=nRT)、質量計算、半反応式、ファラデー定数
2016
原子量の計算、電気伝導度、滴定、沈殿形成、溶解度積
2017
気体のした仕事、理想気体の状態方程式、マイヤーの関係式、ポアソンの式、気体の自由度と気体定数の関係、単原子分子、二原子分子
2018
反応進行度、ギブスエネルギーと平衡定数の関係式、ルシャトリエの原理、アンモニア合成
2019
エンタルピーの式(内部エネルギー、圧力、絶対温度)、ヘスの法則、エンタルピーの計算、ベンゼンの安定性
問題Ⅱ
2015
両性元素、不動態、アルマイト、アルミニウムと塩酸の反応、アルミニウムと水酸化ナトリウムの反応、結晶の密度計算、面心立方格子、熱化学方程式、テルミット反応
2016
イオン化傾向、王水、銀と希硝酸の反応、銅の電解精錬、陽極泥、面心立方格子、単位格子の一辺の長さとイオン半径
2017
同素体、オゾン層、濃硫酸の希釈の注意点、pH計算、銅と熱濃硫酸の反応(二酸化硫黄の生成)、気体収集法の選択、鉛蓄電池
2018
アルカリ金属、イオン化傾向、ガラスの合成、シリカゲルの性質と構造
2019
ハロゲンの形態、ハロゲンの酸化力、塩化物イオンの電子殻、自己酸化還元、酸化数、電気分解、生じた気体から電流を計算、電気分解後のpH
問題Ⅲ
2015
構造と溶解度の関係、分子の極性、カルボキシ基の性質、アルデヒド基の性質、構造異性体、アルコールとアルカリ金属(ナトリウム)の反応、アルコールとニクロム酸カリウムの反応
2016
フェノール、クロロ酢酸、フルオロ酢酸、4-クロロブタン酸、酸性度、電子吸引基、cis、trans異性体(幾何異性体)、水素結合、銀鏡反応
2017
2-メチル2-プロパノール、1-ペンタノール(n-ペンタノール)、2-ブタノール、不斉炭素、競争異性体(エナンチオマー)、PET合成(ポリエチレンテレフテラート)、エステル結合
2018
構造異性体、幾何異性体、ファンデルワールス力、融点、乳酸、不斉炭素、エステル結合、生分解性プラスチック、ベンゼンから安息香酸の合成、フリーデルクラフツアルキル化反応、メチルベンゼン、ベンズアルデヒド
2019
分子の極性と沸点、アルカンの沸点、ファンデルワールス力、アルコールの沸点、水素結合、構造異性体、不斉炭素、Fischerエステル化反応、ルシャトリエの原理
問題Ⅰは2015、2016は高校化学でしたが、ここ3年は大学物理化学からの出題が目立ちます。ここ3年の範囲は熱力学かそれの関連分野といった感じです。
参考書の優先順位は
「青チャート」=「セミナー化学基礎+化学」 >「 基礎物理学演習(1)」(熱力学の範囲) > 「バーロー上巻orアトキンス上巻」
という順番ですね。ある程度基礎があるならセミナーは飛ばしながらやって基礎物理学演習1に入ってもいいと思います。熱力学は化学でも物理でも範囲がかぶるので絶対にやっておくべきです。おそらくこの問題Ⅰが大学範囲も多く、東北大学の編入試験共通化学の中で一番難易度が高いと思います。
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問題Ⅱはほぼ高校化学なので青チャート、セミナー化学基礎+化学をやりまくってください。大学の無機化学はJ.D.Lee無機化学で学べますが、他の志望大学で範囲がかぶらない限り、やらなくてもよさそうです。
問題Ⅲは高校化学をやったのち、マクマリー有機化学概説の前半のページをやってもいいと思います。後半のページのアミンやカルボニル化合物の反応、機器分析などは飛ばしてください。
ここで今回はおわりです。ぜひ勉強の参考にどうぞ